昇段レポート
この度、昇段審査を受けさせていただき、ありがとうございました。
今回の審査を通じて、これまで考えていた以上にその重みを実感しました。
まず、仕事やプライベート、ケガなどで昇段審査に集中できない状況が続き、本当に受けるべきなのかを悩みました。
これまで何度も受けたいと思いましたが、一度目は昇段審査がない年で、次の年には空手から身を引くことになり、二度の機会も逃しました。そして復帰して何が何でもと思いましたが、大会に出て、自分の不甲斐なさにいら立ちを覚え、黒帯よりも結果がほしくなり三度目も先送りし、今回四度目にしてようやくという形でした。今回もまた先送りかと気持ちが萎えそうになりましたが、この負の循環を、自分の力で何としても止めないといけないなと思いました。
いろいろ考えても時間は過ぎて行き、その中で高橋師範、師範代、支部長方に御指導をいただきました。
自分の中には迷いはありましたが、周りの方の御協力をいただく過程で、その迷いを持つこと自体が失礼にあたると感じ、自分のできる限りのことをしようと気持ちを改めました。
昇段審査は、審査当日だけでなく、審査までの過程がすでに審査の一部だと実感し、一日一日を悔いのないように過ごしました。
まったく初めての型の稽古に始まり、基本や移動もそれまでとは違い、一本一本気持ちを込めて、考えながら行いました。そこでまた新たな発見があり、何年経とうが、何千本、何万本突こうが空手の奥はまだまだ深いことにも改めて気付かされました。
型を覚えるのは当然で、型に命を吹き込む為に、毎日毎日早起きをして稽古をし、昼休みも稽古をし、夜は毎日のように道場に通いました。
指導させていただいている子供たちや、保護者の方にも応援をしていただきました。その応援や期待が、これまでは、それに応えないといけないという思いが自分の背負う重荷ととらえてしまう自分がいました。そのためか大会でも結果を出すことができませんでした。今は応援してくれる子供たちや保護者の方々の応援というものが力となり、背負うものがあるという幸せを実感しています。
昇段審査は自分一人の問題でなく、皆様の期待に応えることや、応援に来てくれた子供たちに対して、一人の大人として、一人の空手を志す者として、指導者として背中で何かを示す機会でもありました。
そして、自分自身そんなに大した男ではありませんが、そういった環境ができ上がっているという現実を受け入れ、それをいかにクリアするかということが試されているという思いを持って審査に挑みました。
この審査を通じて、黒帯の重みというものを、少し理解できたように思います。
ただ黒い帯を締めるだけでなく、
「頭は低く 目は高く 口慎んで 心広く 孝を原点とし 他を益とする」
という言葉の如く、黒帯として恥ずかしくない人間となって子供たちの目標であり、模範となっていきたいと思います。
この度、無事に念願の黒帯をいただくことができるわけですが、本当に皆様のおかげだと思っています。
不甲斐ない自分を黙って最後まで見届けてくださった高橋主席師範、自分の為に多くの時間を割いてくださった飯田師範代、その他多くの先輩方や関係者の方々、皆様の御協力・御指導がなければここまで来られなかったのは間違いありません。
感謝の気持ちを忘れず、これから何らかの形でお返ししていかないといけないと思います。
ここからが極真空手の入り口ですので、さらなる高みを目指して行きたいと思います。
この度は本当にありがとうございました。
押忍